2015.06.26更新

Ministry of Corporate Affiarsは、会社法462条に基づき、2015年6月5日に、非公開会社に対する会社法の適用に関して、通達により下記の点につき会社法を修正等しました。各修正点について、俯瞰します。なお、以下Serial numberについては、「SN」と表記します。 

 

1 関連当事者の範囲の修正(重要度” 高”)

 

 SN1.は、非公開会社に関して、関連当事者取引規制について規定するインド会社法188条との関係で、関連当事者の定義規定であるインド会社法2条76項のうち(viii)が適用されないこととしました。

 インド会社法188条によれば、会社が関連当事者(related party)との間で一定の取引を行う場合、原則として、取締役会決議による取締役会の承認等を取得する必要があります。そして、インド会社法2条76項(viii)は、親会社、子会社若しくは関連会社又は親会社の別の子会社が関連当事者に含まれるとしています。

 したがって、従来、非公開会社が親会社、子会社若しくは関連会社又は親会社の別の子会社と188条所定の取引を行う場合、原則として、逐一取締役会の承認を得る必要がありました。しかし、本通達によって、非公開会社については、このような承認は不要となりました。 

 

2 株主の権利内容の修正(重要度”低”)

 

 SN2.は、非公開会社との関係で、基本定款又は附属定款に記載する方法によって、株主権の内容について規定するインド会社法43条及び47条の適用を除外できる旨修正しました。

 インド会社法43条は株式の種類やその内容を、インド会社法47条はすべての株主が議決権を有することや、投票の方法による株主総会決議における議決権数が払込資本金額に比例すること等を規定しておりますが、同条の適用を除外することで、より柔軟な株主総会の決議ルールの策定が許容されることになります。 

 

3 株主割当発行の申込期間の短縮(重要度”中”)

 

 SN3.は、新株の株主割当発行に関する通知様式について規定するインド会社法62条1項(a)(i)の但書として、以下の規定を追加しました。

Provided that notwithstanding anything contained in this sub-clause and subsection (2) of this section, in case ninety per cent. of the members of a private company have given their consent in writing or in electronic mode, the periods lesser than those specified in the said sub clause or sub section shall apply,

この規定の追加により、非公開会社において、株式の90パーセント以上を保有する株主の書面又は電磁的様式による同意を得た場合には、15日を下回る申込期間を設定できるようになりました。この修正により、非公開会社はより迅速に新株の株主割当発行が可能となります。 

 

4 ストックオプション発行手続きの修正(重要度”低”)

 

 SN4.は、非公開会社との関係で、ストックオプションの発行について規定するインド会社法62条1項(b)について”special resolution”という文言を”ordinary resolution”という文言に置き換えました。

 ストックオプションの発行の際には株主総会特別決議が要求されていましたが、この修正により、非公開会社がストックオプションを発行する際には、株主総会普通決議で足りるものとされました。 

 

5 自己株式取得に関する例外(重要度”中”)

 

 SN5.は、自己株式取得を規制するインド会社法67条が、非公開会社との関係で、以下の場合には適用されないものとしました。

 (a)他の法人が、当該非公開会社の株式資本の払込みを行っておらず、

 (b)当該非公開会社が銀行、金融機関又は他の法人から借入を行っている場合、その借入額が、払込資本金額の2倍の額又は5000万Rsのいずれかより低い額を下回っており;かつ

 (c)自己株式の取得を行う際に当該非公開会社の当該借入に対する支払いについて不履行がない場合

この修正により、上記要件を満たす非公開会社は会社法67条の定める自己株式取得規制に服さないこととなります。

 

6 預り金規制に関する例外(重要度”低”)

 

 SN6.は、会社が預り金することを認められる要件について規定するインド会社法73条2項の要件(a)乃至(e)が、一定の場合に非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法73条1項は、会社が公衆から預り金をすることを原則的に禁止しておりますが、同2_項は、定時株主総会における普通決議を経ること等の条件の他に、同項(a)乃至(f)が規定する各要件の充足が認められる場合に、特定の株主等から預り金をすることを許容しています。
 SN6.の修正により、非公開会社に関しては、預り金の総額が払込済資本金及び自由準備金の合計額を超えず、その詳細を別途規則の定める方法に従い登録した場合には、(a)乃至(e)に規定される、回状の発行等の要件を充足することなく、預り金をすることが認められることになりました。 

 

7  株主総会手続に関する定款による修正(重要度”高”)


 

 SN7.は、株主総会手続等について規定するインド会社法101条乃至107条及び109条が、非公開会社に対しては、定款によりその適用を排除できるものとしました。各条項が規定内容は以下のとおりです。

 101条:株主総会招集通知の記載事項や発送時期等の方法に関して

 102条:株主総会招集通知に添付されるべき付属書類に関して

 103条:株主総会の定足数に関して

 104条:株主総会の議長の選出に関して

 105条:議決権の代理行使に関して

 106条:議決権の権利行使制限に関して

 107条:挙手の方法による株主総会決議に関して

 109条:投票の方法による株主総会決議に関して

 この修正により、非公開会社は、定款で別途規定することにより、株主総会手続に関して、より柔軟なルール設計が可能となりました。

 

8 決議に関する必要的提出書類の範囲の修正(重要度"中")

 


 SN8.は、決議に関する書面の提出を義務付ける、インド会社法117条のうち、同条3項(g)が非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法117条3項(g)は、インド会社法179条3項所定の必要的取締役会決議事項に関する取締役会決議の写しを、登録官に対する提出が必要な書類として指定する規定です。

 この修正により、非公開会社は、179条3項所定の事項に対する取締役会決議の写しを登録官に提出する必要がなくなりました。

 

9 監査役の就任上限会社数の算定方法に関する修正(重要度"低")


 

 SN9.は、監査役の非適格要件について規定するインド会社法141条3項のうち、(g)に関して、以下の修正を加えました。


"twenty companies"の文言の後に、""other than one person companies, dormant companies, small companies and private companies having paid-up share capital less than one hundred crore rupees"の文言を挿入。


 監査役として就任できる会社数は、一名につき20社未満と限られておりますが、この修正により、一人会社、休眠会社、小規模会社、払込資本金額10億Rs以下の非公開会社は、この20社の数に含まれないこととなりました。

 

10 取締役選任保証金等の適用除外(重要度"中")


 

 SN10.は、取締役選任の際に保証金等を要求するインド会社法160条が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法160条は、株主総会決議で新たな取締役を選任するにあたり、自筆の立候補の通知及び10万Rs以上の保証金の支払を要求しております。

 この修正により、非公開会社においては取締役選任に際する当該保証金の支払が不要となりました。

 

11 取締役一括選任規制に対する修正(重要度"低")


 

 SN11.は、取締役の個別的選任について規定するインド会社法162条が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法162条1項及び2項は、事前の出席株主の同意がない限り、2名以上の取締役を一つの決議で選任する株主総会決議の進行を許容しておらず、これに違反する決議は無効であると規定しております。

 この修正により、非公開会社においては、取締役の一括選任が許容されることとなりました。

 

12 事業譲渡に関する適用除外(重要度"高")


 

 SN12.は、事業譲渡に関して株主総会特別決議を要求するインド会社法180条が、非公開会社に適用されないものとしました。

 この修正により、非公開会社は株主総会特別決議を経ることなく事業譲渡を行うことが出来るようになります。



 

13 報告が必要な取締役の利害関係の範囲の修正(重要度"中")

 


 SN13.は、取締役の利害関係の情報公開に関して定める、インド会社法184条2項が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法184条2項は、会社と、その会社の取締役と特別な関係がある法人等が契約を締結する場合に、当該取締役に対して当該契約に関する利害関係を報告する義務を課し、また、当該取締役会への参加を制限しておりますが、この修正により、非公開会社に関しては、取締役に対する当該報告義務が免除され、取締役会への参加が許容されることとなります。



 

14 取締役に対する貸付規制の例外(重要度"中")


 

 SN14.は、取締役に対する貸付規制に関して定める、インド会社法185条が、以下の場合には非公開会社に適用されないものとしました。

 (a)他の法人が、当該非公開会社の株式資本の払込みを行っておらず、

 (b)当該非公開会社が銀行、金融機関又は他の法人から借入を行っている場合、その借入額が、払込資本金額の2倍の額又は5000万Rsのいずれかより低い額を下回っており;かつ
 (c)当該非公開会社がインド会社法185条が規定する取引を行う際に、当該借入に対する返済について不履行がない場合

 この修正により、 上記要件を満たす非公開会社は会社法185条の定める貸付規制に服さないこととなります。

 

15 関連当事者の議決権行使規制の適用除外(重要度"中")

 


 SN15.は、関連当事者規制について規定するインド会社法188条のうち1項第2但書が非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法188条1項第1但書は、一定の関連当事者取引に関して、取締役会決議の他、株主総会普通決議を要求しておりますが(注:Companies (Amendment) Act, 2015により特別決議から普通決議に改正)、同第2但書は、当該株主総会決議において関連当事者が議決権を行使することができない旨規定しております。

 この修正により、非公開会社に関しては、関連当事者取引の際に必要とされる株主総会決議において、関連当事者が議決権を行使できるものとされました。

 



16 経営責任者規制に関する適用除外(重要度"高")

 


 SN16.は、経営責任者の選任について規定するインド会社法196条のうち、4項及び5項が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法196条4項は、取締役会が、インド会社法197条及びSchedule Vの規定する適格要件に従って、managing director、whole-time director及びmanagerを選任し、また、支払うべき対価の承認をしなければならないこと等を規定しております。また、同5項は、取締役会で選任された経営責任者が、後に開催される株主総会において承認されなかった場合に、取締役会選任後の取締役の行為が無効にならない旨規定しております。

 この修正により、非公開会社に関しては、Schedule Vの規定する主要経営者適格要件や報酬支払条件に縛られることなく、managing director、whole-time director、managerを選任し、これら経営責任者に対して報酬を支払うことが可能となりました。




Exemptions to Private Companies under section 462 of CA 2013

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/Exemptions_to_private_companies_05062015.pdf

 (弁護士 遠藤 衛)

 

投稿者: 棚瀬法律事務所

2015.06.18更新

2015年5月25日、THE COMPANIES (AMENDMENT) ACT, 2015(以下「CAA」)が成立し、同年5月29日に、13条及び14条を除くすべての条項が施行されました。そこで、CAAによりインド会社法がどのように改正されたのか、各修正点を俯瞰します。

 

⒈ 最低資本金規制の撤廃(重要度“中”)

 CAA2条1項は、非公開会社の定義規定であるインド会社法2条68項の、“of one lakh rupees or such higher paid-up share capital”という文言を削除し、同2項は、公開会社の定義規定であるインド会社法2条71項の“of five lakh rupees or such higher paid-up capital,”という文言を削除しました。

 インド会社法は、従来、非公開会社及び公開会社の定義に最低資本金を組み込むことにより、資本金として要求される最低額を規律しておりました。しかし、この改正により、非公開会社及び公開会社の最低資本金の額に関する文言が削除され、従来要求されていた株式会社の最低資本金に関する規制が撤廃されました。

 

⒉ 社印に関する文言の修正(重要度“低”)

 CAA3条は、インド会社法9条の“and a common seal”という文言を削除しました。

 インド会社法9条は、会社登記の効力発生日について規定する条項ですが、会社設立証明書記載の日時より社印を利用して法人活動をなしうることも規定しております。CAAの施行によりインド会社法上、社印が必ずしも不可欠なもので無くなることをうけ、社印に関する文言を削除するものです。

 

⒊ 事業開始に関する申告制度の廃止(重要度“中”)

 CAA4条は、事業の開始(commencement of business)に関して規定するインド会社法11条を削除しました。

 従来、インド会社法11条により会社が事業を開始するためには、株式引受にかかる払込の支払い及び最低資本金額を超える払込がなされたことの申告の登録が必要とされていました。しかし、CAA2条によって最低資本金規制が撤廃されたことをうけ、その申告を不要とするため、申告に関する会社法11条を削除するものです。

 

⒋ 社印に関する文言の修正(重要度“低”)

 CAA5条は、会社の事務所の登録に関して規定するインド会社法12条のうち、"(b) have its name engraved in legible characters on its seal"という規定を“(b) have its name engraved in legible characters on its seal, if any;”という規定に置き換えました。

 CAAの施行によりインド会社法上、社印が必ずしも不可欠なものでなくなることを受け、”if any”という文言を追加するものです。

 

⒌ 代理権付与手続の修正(重要度“高”)

 CAA6条1項は、会社の代理行為に関して規定するインド会社法22条2項の“under its common seal”という文言を、“under its common seal, if any,” という文言に置換し、下記の但書を追加しました。また、同2項は、会社の証書に関して規定するインド会社法22条3項のうち‘‘and have the effect as if it were made under its common seal”という文言を削除しました。

“Provided that in case a company does not have a common seal, the authorisation under this sub-section shall be made by two directors or by a director and the Company Secretary, wherever the company has appointed a Company Secretary.”;

 従来、インド会社法は社印が押印された書面によって会社の代理権を付与するものとしておりました。この改正により、社印が存在する場合にはその押印が、存在しない場合には取締役及び会社秘書役の権限付与が(会社秘書役が存在しない場合には取締役2名による権限付与が)、会社の代理人を選任するに際して、必要となりました。また、会社の証書作成に際して要求されていた社印の押印が不可欠なものではなくなりました。

 

⒍ 株式証書の様式に関する変更(重要度“中”)

 CAA7条は、株式証書について規定する会社法46条1項のうち“issued under the common seal of the company”という文言を “issued under the common seal, if any, of the company or signed by two directors or by a director and the Company Secretary, wherever the company has appointed a Company Secretary”という文言に置換しました。

 従来、社印が押印されている株式証書が明白な証拠(prima facie)として取り扱われていましたが、この改正により、社印の押印又は取締役と会社秘書役の署名(会社秘書役が選任されていない場合には、取締役2名の署名)のある株式証書が、株主の資格を証明する明白な証拠になることとされました。

 

⒎ 預り金規制違反に関する罰則の新設(重要度“低”)

 CAA8条は、預り金規制違反の罰則を規定するインド会社法76条Aを以下のとおり新設しました。

 “76A. Where a company accepts or invites or allows or causes any other person to accept or invite on its behalf any deposit in contravention of the manner or the conditions prescribed under section 73 or section 76 or rules made thereunder or if a company fails to repay the deposit or part thereof or any interest due thereon within the time specified under section 73 or section 76 or rules made thereunder or such further time as may be allowed by the Tribunal under section 73,—

(a) the company shall, in addition to the payment of the amount of deposit or part thereof and the interest due, be punishable with fine which shall not be less than one crore rupees but which may extend to ten crore rupees; and
(b) every officer of the company who is in default shall be punishable with imprisonment which may extend to seven years or with fine which shall not be less than twenty-five lakh rupees but which may extend to two crore rupees, or with both:
Provided that if it is proved that the officer of the company who is in default, has contravened such provisions knowingly or wilfully with the intention to deceive the company or its shareholders or depositors or creditors or tax authorities, he shall be liable for action under section 447.”

 この改正により、76A条の新設により、預り金規制に違反した場合、会社に対し1千万Rsを超える1億Rs以下の罰金が、違反した会社役員に対し7年以下の懲役及び/又は250万Rsを超える2千万Rs以下の罰金が科されることになります。


⒏ 閲覧・謄写文書範囲の修正(重要度“低”)
 CAA9条は、決議の登録に関するインド会社法117条の3項(g)の但書として、以下の規定を追加しました。

 “Provided that no person shall be entitled under section 399 to inspect or obtain copies of such resolutions; and” 

 インド会社法399条は、何人に対しても登記官によって管理されている書面の閲覧・謄写を認めておりますが、この但書の新設により、会社の業務執行に関する取締役会決議の写しに関しては、同条の閲覧・謄写が認められないこととなりました。
会社の機密情報を含むおそれのある取締役会決議の一般的閲覧・謄写を制限することで、企業機密の保護を図る趣旨です。

⒐ 配当可能額算出方法に関する追記(重要度“中”)
 CAA10条は、配当の宣言及び支払いに関して規定するインド会社法123条の第4但書として、以下の規定を追加しました。

 “Provided also that no company shall declare dividend unless carried over previous losses and depreciation not provided in previous year or years are set off against profit of the company for the current year.”

 この但書の新設により、過去の損失を繰越し、過去の年度の資産減価と当年度の利益を相殺しない限り、配当の宣言が出来なくなりました。

 配当可能額の適正な算出を確保する趣旨から、このような但書が新設されたものです。

10.未配当株式の取扱いに関する説明書の追加(重要度“低”)
 CAA11条1項は、一定期間配当の支払い等が行われない株式の移転について規定するインド会社法124条6項のうち、“unpaid or unclaimed dividend has been transferred under sub-section (5) shall also be”という文言を “dividend has not been paid or claimed for seven consecutive years or more shall be”という文言に置換し、説明書として“Explanation.—For the removal of doubts, it is hereby clarified that in case any dividend is paid or claimed for any year during the said period of seven consecutive years, the share shall not be transferred to Investor Education and Protection Fund.’’という規定を追加しました。

 従前の規定では、インド会社法124条5項の規定によりthe Unpaid Dividend AccountからInvestor Education and Protection Fundにその配当が移動される株式についてのみ、同ファンドに移転する旨規定されておりましたが、同5項の場合に限られず、7年以上配当の支払及び請求がなかった株式が同ファンドに移転することとなりました。もっとも、そもそも7年間一度も配当が為されない場合等には、株式が移転されない旨説明書きで明記されています。

11. 取締役会報告書として提出すべき書類の追加(重要度“低”)
  CAA12条は、取締役会報告書について規定するインド会社法134条3項に関して、“(ca) details in respect of frauds reported by auditors under sub-section (12) of section 143 other than those which are reportable to the Central Government;”という条項を新設しました。

 CAA13条は、一定額以下の会社役員等の不正に関しては、取締役会報告書に記載する旨規定しており、これを受けて、取締役会報告書として提出すべき書類に、インド会社法143条が定める監査役により作成される不正に関する報告書(中央政府に報告するものを除く)を加えるものです。

12. 不正に関する報告先の修正(重要度“低”/未施行)
 CAA13条は、監査役の会社役員等の不正に関する中央政府に対する報告義務について規定するインド会社法143条12項を、以下の規定に置換しました。

“(12) Notwithstanding anything contained in this section, if an auditor of a company in the course of the performance of his duties as auditor, has reason to believe that an offence of fraud involving such amount or amounts as may be prescribed, is being or has been committed in the company by its officers or employees, the auditor shall report the matter to the Central Government within such time and in such manner as may be prescribed:
Provided that in case of a fraud involving lesser than the specified amount, the auditor shall report the matter to the audit committee constituted under section 177 or to the Board in other cases within such time and in such manner as may be prescribed:
Provided further that the companies, whose auditors have reported frauds under this sub-section to the audit committee or the Board but not reported to the Central Government, shall disclose the details about such frauds in the Board's report in such manner as may be prescribed.”
 この改正により、会社法施行規則で別途規定される金額以下の不正に関しては、監査役は、中央政府の替わりに、監査委員会(もし存在しない場合には取締役会)に報告することとされ、会社はその詳細を取締役会報告書に記載することでこれを公開することとされました。

13. 関連当事者取引に対する総括的承認(重要度“中”/未施行)
 CAA14条は、関連当事者取引の監査委員会の承認・修正について規定するインド会社法177条(4)(iv)について、但書として"Provided that the Audit Committee may make omnibus approval for related party transactions proposed to be entered into by the company subject to such conditions as may be prescribed;”という規定を追加しました。

 従来、関連当事者取引で要求される監査委員会の承認について、総括的な承認が許容されるのか必ずしも明示されていませんでしたが、この改正により、監査委員会は、関連当事者との取引に関して、総括的な承認を作成出来るようになりました。総括的な承認を認めることで、個別の案件ごとに逐一監査役会の承認を経る必要を無くし、会社運営の負担を軽減するものです。

14. 対取締役貸付のルールの変更(重要度“大”)
 CAA15条は、取締役等に対する貸付けの規制について規定するインド会社法185条について、但書(b)に続けて、以下の規定を追加しました。
"(c) any loan made by a holding company to its wholly owned subsidiary company or any guarantee given or security provided by a holding company in respect of any loan made to its wholly owned subsidiary company; or
(d) any guarantee given or security provided by a holding company in respect of loan made by any bank or financial institution to its subsidiary company:
Provided that the loans made under clauses (c) and (d) are utilised by the subsidiary company for its principal business activities.”
 この改正により、親会社の、完全子会社に対する貸付、保証又は担保の提供並びに金融機関による子会社に対する貸付に関する保証又は担保の提供が例外的に許容されることとなりました。
親会社が完全子会社に対し運転資金を融資しすること等はしばしば行われますが、親会社の取締役が子会社の取締役を兼任している場合、このような行為はインド会社法185条1項の規制対象となっておりました。このような不都合を解消するために、親会社による完全子会社等に対する融資等を許容するものです。

15. 関連当事者取引で要求される決議基準の変更(重要度“大”)
  CAA16条は、関連当事者取引に関する取締役会の承認について規定する会社法188条1項及び同3項中、”special resolution”という文言を”resolution”という文言に置換し、第四但書として以下の規定を追加しました。
"Provided also that the requirement of passing the resolution under first proviso shall not be applicable for transactions entered into between a holding company and its wholly owned subsidiary whose accounts are consolidated with such holding company and placed before the shareholders at the general meeting for approval.”
 従来、会社法施行規則の定める一定額の払込資本金額を超える会社の取引又は一定額を超える取引を行う場合、株主総会特別決議が要求されていましたが、この改正により、株主総会普通決議で足りることとなりました。また、親会社と会計が連結している完全子会社と取引に関しては、普通決議も不要となりました。



16. 調査対象行為の指定表現の修正(重要度“低”)
 CAA17条は、インド会社法212条6項に関して、"the offences covered under sub-sections (5) and (6) of section 7, section 34, section 36, sub-section (1) of section 38, sub-section (5) of section 46, sub-section (7) of section 56, sub-section (10) of section 66, sub-section (5) of section 140, sub-section (4) of section 206, section 213, section 229, sub-section (1) of section 251, sub-section (3) of section 339 and section 448 which attract the punishment for fraud provided in section 447”という文言を "offence covered under section 447”という文言に置き換えました。
212条6項では、Serious Fraud Investigation Officeの調査対象になりうる行為が具体的条項を適示する形で列挙されていますが、いずれの条項においても447条に従い処罰されることが明記されているため、逐一条項を適示す必要性が乏しい状況にありました。そこで、単に447条により規律される違反行為が、調査対象となりうる旨を指摘することで、記載の簡素化を図るものです。

17. 社印に関する規定の文言の修正(重要度“低”)
  CAA18条は、検査役報告書の社印による認証に関して規定するインド会社法223条4項(a)のうち、"by the seal”という文言を"by the seal, if any,”という文言に置き換えました。
CAAの施行により、社印が必ずしも不可欠なものでなくなることを受け、”if any”という文言を追加するものです。

18. 会社登記抹消事由の変更(重要度“低”)
 CAA19条は、株式引受人が払込みを行わない場合に登記官に会社の登記抹消権限を認める会社法248条を削除しました。
この改正により、株式引受人による払込の不履行が、登記官による会社登記抹消事由ではなくなりました。

19. 特別審判廷の設置範囲の修正(重要度“低”)
 CAA20条は、全国会社法審判所所長による特別審判廷の設置に関して規定するインド会社法419条4項について、”winding up”という文言を削除しました。
改正前会社法によれば、全国会社法審判所所長は会社解散の処理に当たって特別審判廷を設置するものとされていましたが、この改正により、会社解散の際には特別審判廷が利用されないこととされました。

20. 特別裁判所の設置範囲の修正(重要度“低”)
 CAA21条は、会社法違反行為を審理する特別裁判所の設置について規定するインド会社法435条に関して、"trial of offences under this Act”という文言を"trial of offences punishable under this Act with imprisonment of two years or more”という文言に置き換え、但書として以下の規定を追加しました。

 "Provided that all other offences shall be tried, as the case may be, by a Metropolitan Magistrate or a Judicial Magistrate of the First Class having jurisdiction to try any offence under this Act or under any previous company law."

 従前は、すべての会社法違反行為が特別裁判所の審理に服すると規定されていましたが、この改正により、懲役2年以上の罰則が科される可能性のある会社法違反行為のみが、特別裁判所の審理に服することとなりました。なお、それ以外の違反行為は、首都圏治安判事又は一級治安判事の審理に服するものとされております。
 

21. 特別裁判所の審理対象に関する文言の修正(重要度“低”)

  CAA22条は、会社法違反行為を審理する特別裁判所の審理対象について規定するインド会社法436条1項(a)中、"all offences under this Act”という文言を "all offences specified under sub-section (1) of section 435”という文言に置き換えました。
CAA21条によるインド会社法435条の改正を受けて、文言を修正するものです。

22. 会社法適用除外等の指定における期間算出方法の修正等(重要度“低”)
 CAA23条は、会社法適用除外等に関する中央政府の権限について規定する会社法462条に関し、第3項、4項として、下記の規定を追加しました。
 (3) In reckoning any such period of thirty days as is referred to in sub-section (2), no account shall be taken of any period during which the House referred to in sub- section (2) is prorogued or adjourned for more than four consecutive days.
 (4) The copies of every notification issued under this section shall, as soon as may be after it has been issued, be laid before each House of Parliament.”
 この改正により、中央政府の議会に対する通達案提出に関する30日の期間算定に際して、4日を超える形で連続して議会が延会、休会した場合、この期間は上記30日の期間に算入されないものとされました。また、同条に基づく通達が、公布後直ちに各議会に提出されるものとされました。

THE CCOMPANIES (AMENDMENT) ACT, 2015

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/AmendmentAct_2015.pdf

 

Commencement Notification of Companies (Amendment) Act, 2015

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/Notification_31052015.pdf

以上

(弁護士 遠藤 衛)

投稿者: 棚瀬法律事務所

棚瀬法律事務所03-6205-7930
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