2015.06.26更新

Ministry of Corporate Affiarsは、会社法462条に基づき、2015年6月5日に、非公開会社に対する会社法の適用に関して、通達により下記の点につき会社法を修正等しました。各修正点について、俯瞰します。なお、以下Serial numberについては、「SN」と表記します。 

 

1 関連当事者の範囲の修正(重要度” 高”)

 

 SN1.は、非公開会社に関して、関連当事者取引規制について規定するインド会社法188条との関係で、関連当事者の定義規定であるインド会社法2条76項のうち(viii)が適用されないこととしました。

 インド会社法188条によれば、会社が関連当事者(related party)との間で一定の取引を行う場合、原則として、取締役会決議による取締役会の承認等を取得する必要があります。そして、インド会社法2条76項(viii)は、親会社、子会社若しくは関連会社又は親会社の別の子会社が関連当事者に含まれるとしています。

 したがって、従来、非公開会社が親会社、子会社若しくは関連会社又は親会社の別の子会社と188条所定の取引を行う場合、原則として、逐一取締役会の承認を得る必要がありました。しかし、本通達によって、非公開会社については、このような承認は不要となりました。 

 

2 株主の権利内容の修正(重要度”低”)

 

 SN2.は、非公開会社との関係で、基本定款又は附属定款に記載する方法によって、株主権の内容について規定するインド会社法43条及び47条の適用を除外できる旨修正しました。

 インド会社法43条は株式の種類やその内容を、インド会社法47条はすべての株主が議決権を有することや、投票の方法による株主総会決議における議決権数が払込資本金額に比例すること等を規定しておりますが、同条の適用を除外することで、より柔軟な株主総会の決議ルールの策定が許容されることになります。 

 

3 株主割当発行の申込期間の短縮(重要度”中”)

 

 SN3.は、新株の株主割当発行に関する通知様式について規定するインド会社法62条1項(a)(i)の但書として、以下の規定を追加しました。

Provided that notwithstanding anything contained in this sub-clause and subsection (2) of this section, in case ninety per cent. of the members of a private company have given their consent in writing or in electronic mode, the periods lesser than those specified in the said sub clause or sub section shall apply,

この規定の追加により、非公開会社において、株式の90パーセント以上を保有する株主の書面又は電磁的様式による同意を得た場合には、15日を下回る申込期間を設定できるようになりました。この修正により、非公開会社はより迅速に新株の株主割当発行が可能となります。 

 

4 ストックオプション発行手続きの修正(重要度”低”)

 

 SN4.は、非公開会社との関係で、ストックオプションの発行について規定するインド会社法62条1項(b)について”special resolution”という文言を”ordinary resolution”という文言に置き換えました。

 ストックオプションの発行の際には株主総会特別決議が要求されていましたが、この修正により、非公開会社がストックオプションを発行する際には、株主総会普通決議で足りるものとされました。 

 

5 自己株式取得に関する例外(重要度”中”)

 

 SN5.は、自己株式取得を規制するインド会社法67条が、非公開会社との関係で、以下の場合には適用されないものとしました。

 (a)他の法人が、当該非公開会社の株式資本の払込みを行っておらず、

 (b)当該非公開会社が銀行、金融機関又は他の法人から借入を行っている場合、その借入額が、払込資本金額の2倍の額又は5000万Rsのいずれかより低い額を下回っており;かつ

 (c)自己株式の取得を行う際に当該非公開会社の当該借入に対する支払いについて不履行がない場合

この修正により、上記要件を満たす非公開会社は会社法67条の定める自己株式取得規制に服さないこととなります。

 

6 預り金規制に関する例外(重要度”低”)

 

 SN6.は、会社が預り金することを認められる要件について規定するインド会社法73条2項の要件(a)乃至(e)が、一定の場合に非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法73条1項は、会社が公衆から預り金をすることを原則的に禁止しておりますが、同2_項は、定時株主総会における普通決議を経ること等の条件の他に、同項(a)乃至(f)が規定する各要件の充足が認められる場合に、特定の株主等から預り金をすることを許容しています。
 SN6.の修正により、非公開会社に関しては、預り金の総額が払込済資本金及び自由準備金の合計額を超えず、その詳細を別途規則の定める方法に従い登録した場合には、(a)乃至(e)に規定される、回状の発行等の要件を充足することなく、預り金をすることが認められることになりました。 

 

7  株主総会手続に関する定款による修正(重要度”高”)


 

 SN7.は、株主総会手続等について規定するインド会社法101条乃至107条及び109条が、非公開会社に対しては、定款によりその適用を排除できるものとしました。各条項が規定内容は以下のとおりです。

 101条:株主総会招集通知の記載事項や発送時期等の方法に関して

 102条:株主総会招集通知に添付されるべき付属書類に関して

 103条:株主総会の定足数に関して

 104条:株主総会の議長の選出に関して

 105条:議決権の代理行使に関して

 106条:議決権の権利行使制限に関して

 107条:挙手の方法による株主総会決議に関して

 109条:投票の方法による株主総会決議に関して

 この修正により、非公開会社は、定款で別途規定することにより、株主総会手続に関して、より柔軟なルール設計が可能となりました。

 

8 決議に関する必要的提出書類の範囲の修正(重要度"中")

 


 SN8.は、決議に関する書面の提出を義務付ける、インド会社法117条のうち、同条3項(g)が非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法117条3項(g)は、インド会社法179条3項所定の必要的取締役会決議事項に関する取締役会決議の写しを、登録官に対する提出が必要な書類として指定する規定です。

 この修正により、非公開会社は、179条3項所定の事項に対する取締役会決議の写しを登録官に提出する必要がなくなりました。

 

9 監査役の就任上限会社数の算定方法に関する修正(重要度"低")


 

 SN9.は、監査役の非適格要件について規定するインド会社法141条3項のうち、(g)に関して、以下の修正を加えました。


"twenty companies"の文言の後に、""other than one person companies, dormant companies, small companies and private companies having paid-up share capital less than one hundred crore rupees"の文言を挿入。


 監査役として就任できる会社数は、一名につき20社未満と限られておりますが、この修正により、一人会社、休眠会社、小規模会社、払込資本金額10億Rs以下の非公開会社は、この20社の数に含まれないこととなりました。

 

10 取締役選任保証金等の適用除外(重要度"中")


 

 SN10.は、取締役選任の際に保証金等を要求するインド会社法160条が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法160条は、株主総会決議で新たな取締役を選任するにあたり、自筆の立候補の通知及び10万Rs以上の保証金の支払を要求しております。

 この修正により、非公開会社においては取締役選任に際する当該保証金の支払が不要となりました。

 

11 取締役一括選任規制に対する修正(重要度"低")


 

 SN11.は、取締役の個別的選任について規定するインド会社法162条が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法162条1項及び2項は、事前の出席株主の同意がない限り、2名以上の取締役を一つの決議で選任する株主総会決議の進行を許容しておらず、これに違反する決議は無効であると規定しております。

 この修正により、非公開会社においては、取締役の一括選任が許容されることとなりました。

 

12 事業譲渡に関する適用除外(重要度"高")


 

 SN12.は、事業譲渡に関して株主総会特別決議を要求するインド会社法180条が、非公開会社に適用されないものとしました。

 この修正により、非公開会社は株主総会特別決議を経ることなく事業譲渡を行うことが出来るようになります。



 

13 報告が必要な取締役の利害関係の範囲の修正(重要度"中")

 


 SN13.は、取締役の利害関係の情報公開に関して定める、インド会社法184条2項が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法184条2項は、会社と、その会社の取締役と特別な関係がある法人等が契約を締結する場合に、当該取締役に対して当該契約に関する利害関係を報告する義務を課し、また、当該取締役会への参加を制限しておりますが、この修正により、非公開会社に関しては、取締役に対する当該報告義務が免除され、取締役会への参加が許容されることとなります。



 

14 取締役に対する貸付規制の例外(重要度"中")


 

 SN14.は、取締役に対する貸付規制に関して定める、インド会社法185条が、以下の場合には非公開会社に適用されないものとしました。

 (a)他の法人が、当該非公開会社の株式資本の払込みを行っておらず、

 (b)当該非公開会社が銀行、金融機関又は他の法人から借入を行っている場合、その借入額が、払込資本金額の2倍の額又は5000万Rsのいずれかより低い額を下回っており;かつ
 (c)当該非公開会社がインド会社法185条が規定する取引を行う際に、当該借入に対する返済について不履行がない場合

 この修正により、 上記要件を満たす非公開会社は会社法185条の定める貸付規制に服さないこととなります。

 

15 関連当事者の議決権行使規制の適用除外(重要度"中")

 


 SN15.は、関連当事者規制について規定するインド会社法188条のうち1項第2但書が非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法188条1項第1但書は、一定の関連当事者取引に関して、取締役会決議の他、株主総会普通決議を要求しておりますが(注:Companies (Amendment) Act, 2015により特別決議から普通決議に改正)、同第2但書は、当該株主総会決議において関連当事者が議決権を行使することができない旨規定しております。

 この修正により、非公開会社に関しては、関連当事者取引の際に必要とされる株主総会決議において、関連当事者が議決権を行使できるものとされました。

 



16 経営責任者規制に関する適用除外(重要度"高")

 


 SN16.は、経営責任者の選任について規定するインド会社法196条のうち、4項及び5項が、非公開会社に適用されないものとしました。

 インド会社法196条4項は、取締役会が、インド会社法197条及びSchedule Vの規定する適格要件に従って、managing director、whole-time director及びmanagerを選任し、また、支払うべき対価の承認をしなければならないこと等を規定しております。また、同5項は、取締役会で選任された経営責任者が、後に開催される株主総会において承認されなかった場合に、取締役会選任後の取締役の行為が無効にならない旨規定しております。

 この修正により、非公開会社に関しては、Schedule Vの規定する主要経営者適格要件や報酬支払条件に縛られることなく、managing director、whole-time director、managerを選任し、これら経営責任者に対して報酬を支払うことが可能となりました。




Exemptions to Private Companies under section 462 of CA 2013

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/Exemptions_to_private_companies_05062015.pdf

 (弁護士 遠藤 衛)

 

投稿者: 棚瀬法律事務所

2015.06.24更新

1. はじめに
 野村総合研究所の調査によれば,純金融資産保有額に基づいて世帯階層を分類した場合,2013年時点で,純金融資産5億円以上の超富裕層が5.4万世帯,1億円以上5億円未満の富裕層が95.3万世帯あり,日本の富裕層は101万世帯あると推計しています(平成26年11月18日付けニュースリリース)。
 他方で,このような富裕層だけが相続争いになるわけではなく,裁判所の統計資料によれば,遺産分割調停で問題になる遺産額は,5000万円以下が75%とされています。
 財産が少なくても相続争いになってしまう理由としては,不動産と少額の預貯金という遺産の組み合わせの場合には不動産を換価しないと平等に分配できないこと,富裕層の場合には事前に相続対策をしていることなどが考えられます。

 

2. 事業承継の障害
 純金融資産が1億円以上の富裕層が100万世帯あると指摘しましたが,広い意味での資産を承継する資産承継の一部として,事業承継の問題があります。そして,事業承継の問題は,後継者を誰にするかという経営の問題と,遺留分や相続税をどうするかという法的な問題の大きく2つに分けることができますが,今回の法務ノートでは,後者の法的な問題を扱います。
 事業承継では,誰を後継者にするか決まったとしても,民法上の「遺留分」という制度による障害をどのように解決するかという問題や,生前贈与や相続による納税資金をどのように確保するかという問題が生じます。事業承継に伴うこのような障害を克服し,事業承継を円滑に行うことができるようにするため,法律上,遺留分の特例と納税猶予の特例が定められています。特に,納例猶予の特例は,平成25年度税制改正によって使いやすくなり,平成27年1月1日から適用されています。
 そこで,遺留分の特例と納税猶予の特例について,順番に解説していきます。

 

3. 遺留分の特例
(1) 遺留分とは
 現経営者(被相続人)が,生前贈与や遺言によって,経営している会社の株式を後継者に集中するようにしても,うまくいかない場合があります。民法上,「遺留分」という制度があるからです。
 本来,自分の財産を誰にどの程度あげるかは自由なはずです。しかし,遺族の生活の安定や最低限の相続人間の平等を実現するため,兄弟姉妹以外の相続人には,一定の相続の権利が保障されています。これを遺留分といいます。民法1028条は,直系尊属のみが相続人である場合には法定相続分の3分の1,それ以外の場合には法定相続分の2分の1が遺留分であると定めています。

(2) 経営承継円滑化法
 このように「遺留分」という制度があるため,後継者にすべての財産を承継させることは,他の相続人の遺留分を侵害してしまうことになります。他の相続人が,遺留分減殺請求をして,争ったりしなければ相続争いにはなりませんが,他の相続人が争う場合には,紛争になってしまいます。
 遺留分の対策としては,相続開始前に遺留分を放棄してもらうという方法があります。もっとも,被相続人の圧迫によって遺留分権利者が遺留分権を予め放棄するように強要されるおそれがあることから,家庭裁判所の許可を受ける必要があります(民法1043条1項)。さらに,「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」(経営承継円滑化法)が,遺留分に関する民法の特例を定めており,その適用を受けるという対策もあります。
 経営承継円滑化法は,多様な分野において特色ある事業活動を行い,就業の機会も提供することなどにより,我が国の経済の基盤を形成している中小企業について,経営の承継の円滑を図り,中小企業の事業活動の継続に資することを目的として制定されました(法1条)。その目的を達成するための手段として,遺留分に関する特例(法第2章)と,資金供給の円滑化等の支援措置(法第3章)の2つを定めています。

(3) 要件と手続
ア 全体の流れ
 民法の特例を利用するためには,①推定相続人全員の合意→②経済産業大臣の確認→③家庭裁判所の許可→④合意の効力発生という要件と手続を経ることになります。

イ 除外合意と固定合意
 経営承継円滑化法は,遺留分に関する民法の特例として,遺留分算定基礎財産から除外する合意(除外合意)と遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の時価に固定する合意(固定合意)の2つを定めています(法4条1項)。
 「除外合意」をすると,後継者が現経営者から贈与・相続によって取得した自社株式について,他の相続人は遺留分の主張ができなくなります。
 また,「固定合意」の利点は以下のような点にあります。生前贈与した財産について遺留分減殺請求をした場合,贈与財産の評価時期は,贈与時点ではなく相続開始時点を基準に価額評価するとされています(最判昭和51年3月18日)。そのため,生前贈与を受けた後継者が相続開始時まで努力して企業価値を高めると,自社株式の評価額が増加し,その結果,他の相続人の遺留分の額が増大してしまうという事態が発生します。そうすると,企業価値を増加させるインセンティブが削がれてしまうことにもなりかねません。「固定合意」をすると,遺留分算定基礎財産に算入する価格を合意時に固定することができるため,後継者のインセンティブが歪められることがありません。

ウ 推定相続人全員の合意
 遺留分に関する民法の特例を利用するためには,後継者を含む現経営者の推定相続人全員で合意をし,合意書を作成する必要があります。合意書のサンプルは次のようなものです(サンプル)。

エ 経済産業大臣の確認
 後継者は,上記合意をした日から1カ月以内に,経済産業大臣に対し,「遺留分に関する民法の特例に係る確認申請書」に必要書類を添付して申請する必要があります。確認申請書のサンプルは次のようなものです(サンプル)。

オ 家庭裁判所の許可
 経済産業大臣の「確認書」の交付を受けた後継者は,確認を受けた日から1カ月以内に,家庭裁判所に対し,「申立書」に必要書類を添付して申立てをし,家庭裁判所の「許可」を受ける必要があります。申立書のサンプルは次のようなものです(サンプル)。

(4)支援措置
 経営承継円滑化法は,前記のとおり,遺留分に関する民法の特例を定めるとともに,中小企業者が必要とする資金の供給の円滑化の支援措置を定めています。
 具体的には,中小企業信用保険法の特例(13条),株式会社日本政策金融公庫法および沖縄振興開発金融公庫法の特例(14条),指導・助言の提供(15条)について規定しています。

 

4. 納税猶予の特例
(1) 制定の経緯
 経営承継円滑化法の附則2条は,平成20年度中に,相続税の課税についての必要な措置を講ずる旨を定めていました。この規定を受けて,平成21年度税制改正により,非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予制度が創設されました(租税特別措置法70条の7~70の7の4)。
 この制度では,一定の要件を満たした場合,経済産業大臣の認定により,先代経営者から承継した株式に係る贈与税と相続税の納税が猶予されます。

(2) 贈与税の納税猶予制度
 後継者(受贈者)が,経営承継円滑化法12条による経済産業大臣の認定を受けた非上場会社を経営していた親族から,贈与によってその保有株式等の全部または一定以上の株式を取得し,その会社を経営していく場合は,一定の要件の下で贈与税の納税が猶予されます。
 後継者(受贈者)が,先代経営者から一定以上の自社株式の贈与を受け,一定の要件を満たす場合には,贈与前から後継者が既に保有していた議決権株式を含め発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分について,贈与税の全額の納税が猶予されます。

(3) 相続税の納税猶予制度
 納税猶予の特例は,贈与税の納税猶予制度と相続税の納税猶予制度の2つが規定されていますが,基本的な仕組みは同じです。
後継者が,相続により非上場会社の株式を取得し,一定の要件を満たす場合には,後継者が相続前から既に保有していた議決権株式を含めて,発行済議決権株式総数の3分の2に達するまでの部分について,課税価格の80%に対応する相続税が猶予されます。

(4) 特例を受けるための要件
ア 対象会社
・中小企業基本法の中小企業であること
・非上場企業であること
・資産管理会社,資産運用会社,風俗営業会社などに該当しないこと
・常時使用する従業員が1人以上いること等

イ 先代経営者
・会社の代表者であること(代表者であったこと)
・改正前は,贈与時に役員を退任しなければならない「退任要件」がありましたが,贈与時に会社の代表権を有していないという「代表者退任要件」に改められ,平成27年1月1日以後の贈与について適用されます。
・贈与または相続開始直前において,先代経営者と同族関係者で発行済議決権株式の50%超を保有し,かつ同族内で筆頭株主であること等

ウ 後継者
・改正前は,先代経営者の親族であることという要件がありましたが,親族外承継も可能になりました。
・贈与または相続開始時に,後継者と同族関係者で発行済議決権株式の50%超を保有し,かつ後継者が同族内で筆頭株主であること
・相続のあった日の翌日から5カ月を経過する日に会社の代表者であること等

エ 経済産業大臣の認定
 上記の各要件に該当しているかについて,経済産業大臣の認定を受ける必要があります。認定の申請は,贈与については「贈与を受けた年の翌年の1月15日」まで,相続については「相続開始の日の翌日から8カ月を経過する日」までに,各地域の経済産業局に対して行います。
 なお,改正前は,計画的な承継に係る取組(後継者の確定,株式の計画的承継等)に関して,事前に経済産業大臣による確認を受ける必要がありましたが,平成25年4月1日以後はこの手続きが不要になりました。

オ 雇用の8割維持要件
 納税猶予制度を利用するためには,制度適用後5年間にわたり,毎年,雇用の8割以上を確保し続けることが必要でした。しかし,改正によって,雇用している従業員数の判定は単年度ではなく,経営承継期間の5年平均で8割を確保できていればよいことになりました。

カ 申告期限後の手続
 申告期限後5年間は,年に1回,経済産業局へ「年次報告書」を提出し,税務署へ「継続届出書」を提出する必要があります。さらに,5年経過後は,3年ごとに,税務署へ「継続届出書」を提出して,株式の継続保有について確認を受ける必要があります。

(弁護士 茨木 佳貴)

投稿者: 棚瀬法律事務所

2015.06.18更新

1. はじめに

 「メンタルヘルス不調を理由とする解雇・退職」について,法務ノートを書き,その中で,打切補償と解雇に関する専修大学事件(東京高判平成25年7月10日)について言及していました。その後,平成27年6月8日に最高裁判決があり,原判決が破棄されましたので,付記します。

 

2. 裁判要旨

 労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付を受ける労働者が,療養開始後3年を経過しても疾病等が治らない場合には,使用者は,当該労働者につき,労働基準法81条の打切補償を支払って,同法19条1項ただし書の適用を受けることができる。

 

3. 問題の所在

 労働基準法19条1項本文は,労働者が業務上の傷病による休業をしている期間,解雇することを制限しています。その趣旨は,労働者が労働能力を喪失している期間及び労働能力の回復に必要な期間の解雇を一時制限し,労働者が生活の脅威にさらされないよう保護することを目的としたものです。

 もっとも,労働基準法19条1項ただし書は,「使用者が,第81条の規定によって打切補償を支払う場合・・・においては,この限りではない」と規定し,解雇制限の適用除外を定めています。

 この労働基準法19条1項ただし書が言及している労働基準法81条は,「第75条の規定によって補償を受ける労働者」と規定しているところ,労働基準法75条は「療養補償」について定めています。他方で,労災保険法12条の8第1項1号は「療養補償給付」について定めており,法制度上,「労働基準法75条の規定によって療養補償を受ける労働者」と「労災保険法12条の8第1項1号によって療養補償給付を受ける労働者」は別といえます。現在の運用では,業務上の傷病による休業をした場合,労働基準法による療養補償が支給されるのではなく,労災保険による「療養補償給付」が支給されているのがほとんどです。

 そこで,労災保険の療養補償給付を受ける労働者が,療養開始後3年を経過しても疾病等が治らない場合に,使用者が,当該労働者につき,労働基準法81条の規定による打切補償の支払をすることにより,解雇制限の除外事由を定める労働基準法19条1項ただし書の適用を受けることができるかが問題となりました。

 

4. 参照条文

<労働基準法19条1項>

使用者は,労働者が業務上負傷し,又は疾病にかかり療養のために休業する期間及びその後30日間並びに産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は,解雇してはならない。ただし,使用者が,第81条の規定によって打切補償を支払う場合又は天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においては,この限りでない。

<労働基準法81条>

第75条の規定によって補償を受ける労働者が,療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては,使用者は,平均賃金の1200日分の打切補償を行い,その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。

<労働基準法75条1項>

労働者が業務上負傷し,又は疾病にかかった場合においては,使用者は,その費用で必要な療養を行い,又は必要な療養の費用を負担しなければならない。

<労働者災害補償保険法12条の8>

第7条第1項第1号の業務災害に関する保険給付は、次に掲げる保険給付とする。

1 療養補償給付

(略)

 

5. 原審

 原審は,一審と同様に,打切補償をしても解雇することができないと判断しました。最高裁がまとめた判示を引用すると,原審は,以下のように判断していました。

 

「労働基準法81条は,同法75条の規定によって補償を受ける労働者が療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病が治らない場合において,打切補償を行うことができる旨を定めており,労災保険法に基づく療養補償給付及び休業補償給付を受けている労働者については何ら触れていないこと等からすると,労働基準法の文言上,労災保険法に基づく療養補償給付及び休業補償給付を受けている労働者が労働基準法81条にいう同法75条の規定によって補償を受ける労働者に該当するものと解することは困難である」

 

 労働基準法75条によって療養補償を受ける労働者と,労災保険法12条の8第1項1号によって療養補償給付を受ける労働者は,法制度上別であり,労働基準法81条は「第75条の規定によって補償を受ける労働者」と規定していることから,その条文の文言を重視した判断といえます。

 

6. 最高裁の判断

 これに対し,最高裁は,①労働者災害補償保険制度の創設等を目的として制定された労災保険法は,労働基準法と同日に公布・施行されていること,②労災保険法12条の8第2項は,療養補償給付を始めとする各保険給付は労働基準法において使用者が災害補償を行うべきものとされている事由が生じた場合に行われるものである旨を規定していること,③労働基準法84条1項は,労災保険法による各保険給付が行われるべき場合には使用者は災害補償の義務を免れる旨を規定していること,④労災保険法が定める各保険給付の内容は,労働基準法の各規定に定められた使用者による災害補償の内容にそれぞれ対応するものなっていることなどを指摘して,労災保険法12条の8第1項1号から5号までに定める各保険給付は,これらに対応する労働基準法上の災害補償に「代わるもの」ということができると判示しました。

 そして,そのような,労災保険法上の保険給付と労働基準法上の災害補償の関係を前提として,①労働基準法上の災害補償に代わるものとしての労災保険法に基づく保険給付が行われている場合には,災害補償が実質的に行われているものといえるので,使用者自らの負担により災害補償が行われている場合と,これに代わるものとしての労災保険法に基づく保険給付が行われている場合とで,労働基準法19条ただし書の適用の有無につき取扱いを異にすべきものとはいい難い,②打切補償として相当額の支払がされても傷害又は疾病が治るまでの間は労災保険法に基づき必要な療養補償給付がされることなども勘案すれば,異なる取扱いがされなければ労働者の利益につきその保護を欠くことになるものともいい難いと判示し,以下のように結論づけました。

 

 「そうすると,労災保険法12条の8第1項1号の療養補償給付を受ける労働者は,解雇制限に関する労働基準法19条1項の適用に関しては,同項ただし書が打切補償の根拠規定として掲げる同法81条にいう同法75条の規定によって補償を受ける労働者に含まれるものとみるのが相当である。」

 「したがって,労災保険法12条の8第1項1号の療養補償給付を受ける労働者が,療養開始後3年を経過しても疾病等が治らない場合には,労働基準法75条による療養補償を受ける労働者が上記の状況にある場合と同様に,使用者は,当該労働者につき,同法81条の規定による打切補償の支払をすることにより,解雇制限の除外事由を定める同法19条1項ただし書の適用を受けることができるものと解するのが相当である。」

 

7. 破棄自判せずに,差し戻した理由

 最高裁は,上記のとおり判断して,労働基準法19条1項ただし書の規定が適用され,同法19条1項本文による解雇制限の適用はないと判断しました。

 もっとも,解雇の有効性に関しては,労働契約法16条が解雇権濫用法理を定めており,その該当性の有無等について更に審理を尽くさせるため,原審に差し戻しています。打切補償に基づいて解雇をする場合であっても,解雇権濫用法理を定める労働契約法16条の適用自体は排除されないということです。

<労働契約法16条>

解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,その権利を濫用したものとして,無効とする。

(弁護士 茨木 佳貴)

投稿者: 棚瀬法律事務所

2015.06.18更新

2015年5月25日、THE COMPANIES (AMENDMENT) ACT, 2015(以下「CAA」)が成立し、同年5月29日に、13条及び14条を除くすべての条項が施行されました。そこで、CAAによりインド会社法がどのように改正されたのか、各修正点を俯瞰します。

 

⒈ 最低資本金規制の撤廃(重要度“中”)

 CAA2条1項は、非公開会社の定義規定であるインド会社法2条68項の、“of one lakh rupees or such higher paid-up share capital”という文言を削除し、同2項は、公開会社の定義規定であるインド会社法2条71項の“of five lakh rupees or such higher paid-up capital,”という文言を削除しました。

 インド会社法は、従来、非公開会社及び公開会社の定義に最低資本金を組み込むことにより、資本金として要求される最低額を規律しておりました。しかし、この改正により、非公開会社及び公開会社の最低資本金の額に関する文言が削除され、従来要求されていた株式会社の最低資本金に関する規制が撤廃されました。

 

⒉ 社印に関する文言の修正(重要度“低”)

 CAA3条は、インド会社法9条の“and a common seal”という文言を削除しました。

 インド会社法9条は、会社登記の効力発生日について規定する条項ですが、会社設立証明書記載の日時より社印を利用して法人活動をなしうることも規定しております。CAAの施行によりインド会社法上、社印が必ずしも不可欠なもので無くなることをうけ、社印に関する文言を削除するものです。

 

⒊ 事業開始に関する申告制度の廃止(重要度“中”)

 CAA4条は、事業の開始(commencement of business)に関して規定するインド会社法11条を削除しました。

 従来、インド会社法11条により会社が事業を開始するためには、株式引受にかかる払込の支払い及び最低資本金額を超える払込がなされたことの申告の登録が必要とされていました。しかし、CAA2条によって最低資本金規制が撤廃されたことをうけ、その申告を不要とするため、申告に関する会社法11条を削除するものです。

 

⒋ 社印に関する文言の修正(重要度“低”)

 CAA5条は、会社の事務所の登録に関して規定するインド会社法12条のうち、"(b) have its name engraved in legible characters on its seal"という規定を“(b) have its name engraved in legible characters on its seal, if any;”という規定に置き換えました。

 CAAの施行によりインド会社法上、社印が必ずしも不可欠なものでなくなることを受け、”if any”という文言を追加するものです。

 

⒌ 代理権付与手続の修正(重要度“高”)

 CAA6条1項は、会社の代理行為に関して規定するインド会社法22条2項の“under its common seal”という文言を、“under its common seal, if any,” という文言に置換し、下記の但書を追加しました。また、同2項は、会社の証書に関して規定するインド会社法22条3項のうち‘‘and have the effect as if it were made under its common seal”という文言を削除しました。

“Provided that in case a company does not have a common seal, the authorisation under this sub-section shall be made by two directors or by a director and the Company Secretary, wherever the company has appointed a Company Secretary.”;

 従来、インド会社法は社印が押印された書面によって会社の代理権を付与するものとしておりました。この改正により、社印が存在する場合にはその押印が、存在しない場合には取締役及び会社秘書役の権限付与が(会社秘書役が存在しない場合には取締役2名による権限付与が)、会社の代理人を選任するに際して、必要となりました。また、会社の証書作成に際して要求されていた社印の押印が不可欠なものではなくなりました。

 

⒍ 株式証書の様式に関する変更(重要度“中”)

 CAA7条は、株式証書について規定する会社法46条1項のうち“issued under the common seal of the company”という文言を “issued under the common seal, if any, of the company or signed by two directors or by a director and the Company Secretary, wherever the company has appointed a Company Secretary”という文言に置換しました。

 従来、社印が押印されている株式証書が明白な証拠(prima facie)として取り扱われていましたが、この改正により、社印の押印又は取締役と会社秘書役の署名(会社秘書役が選任されていない場合には、取締役2名の署名)のある株式証書が、株主の資格を証明する明白な証拠になることとされました。

 

⒎ 預り金規制違反に関する罰則の新設(重要度“低”)

 CAA8条は、預り金規制違反の罰則を規定するインド会社法76条Aを以下のとおり新設しました。

 “76A. Where a company accepts or invites or allows or causes any other person to accept or invite on its behalf any deposit in contravention of the manner or the conditions prescribed under section 73 or section 76 or rules made thereunder or if a company fails to repay the deposit or part thereof or any interest due thereon within the time specified under section 73 or section 76 or rules made thereunder or such further time as may be allowed by the Tribunal under section 73,—

(a) the company shall, in addition to the payment of the amount of deposit or part thereof and the interest due, be punishable with fine which shall not be less than one crore rupees but which may extend to ten crore rupees; and
(b) every officer of the company who is in default shall be punishable with imprisonment which may extend to seven years or with fine which shall not be less than twenty-five lakh rupees but which may extend to two crore rupees, or with both:
Provided that if it is proved that the officer of the company who is in default, has contravened such provisions knowingly or wilfully with the intention to deceive the company or its shareholders or depositors or creditors or tax authorities, he shall be liable for action under section 447.”

 この改正により、76A条の新設により、預り金規制に違反した場合、会社に対し1千万Rsを超える1億Rs以下の罰金が、違反した会社役員に対し7年以下の懲役及び/又は250万Rsを超える2千万Rs以下の罰金が科されることになります。


⒏ 閲覧・謄写文書範囲の修正(重要度“低”)
 CAA9条は、決議の登録に関するインド会社法117条の3項(g)の但書として、以下の規定を追加しました。

 “Provided that no person shall be entitled under section 399 to inspect or obtain copies of such resolutions; and” 

 インド会社法399条は、何人に対しても登記官によって管理されている書面の閲覧・謄写を認めておりますが、この但書の新設により、会社の業務執行に関する取締役会決議の写しに関しては、同条の閲覧・謄写が認められないこととなりました。
会社の機密情報を含むおそれのある取締役会決議の一般的閲覧・謄写を制限することで、企業機密の保護を図る趣旨です。

⒐ 配当可能額算出方法に関する追記(重要度“中”)
 CAA10条は、配当の宣言及び支払いに関して規定するインド会社法123条の第4但書として、以下の規定を追加しました。

 “Provided also that no company shall declare dividend unless carried over previous losses and depreciation not provided in previous year or years are set off against profit of the company for the current year.”

 この但書の新設により、過去の損失を繰越し、過去の年度の資産減価と当年度の利益を相殺しない限り、配当の宣言が出来なくなりました。

 配当可能額の適正な算出を確保する趣旨から、このような但書が新設されたものです。

10.未配当株式の取扱いに関する説明書の追加(重要度“低”)
 CAA11条1項は、一定期間配当の支払い等が行われない株式の移転について規定するインド会社法124条6項のうち、“unpaid or unclaimed dividend has been transferred under sub-section (5) shall also be”という文言を “dividend has not been paid or claimed for seven consecutive years or more shall be”という文言に置換し、説明書として“Explanation.—For the removal of doubts, it is hereby clarified that in case any dividend is paid or claimed for any year during the said period of seven consecutive years, the share shall not be transferred to Investor Education and Protection Fund.’’という規定を追加しました。

 従前の規定では、インド会社法124条5項の規定によりthe Unpaid Dividend AccountからInvestor Education and Protection Fundにその配当が移動される株式についてのみ、同ファンドに移転する旨規定されておりましたが、同5項の場合に限られず、7年以上配当の支払及び請求がなかった株式が同ファンドに移転することとなりました。もっとも、そもそも7年間一度も配当が為されない場合等には、株式が移転されない旨説明書きで明記されています。

11. 取締役会報告書として提出すべき書類の追加(重要度“低”)
  CAA12条は、取締役会報告書について規定するインド会社法134条3項に関して、“(ca) details in respect of frauds reported by auditors under sub-section (12) of section 143 other than those which are reportable to the Central Government;”という条項を新設しました。

 CAA13条は、一定額以下の会社役員等の不正に関しては、取締役会報告書に記載する旨規定しており、これを受けて、取締役会報告書として提出すべき書類に、インド会社法143条が定める監査役により作成される不正に関する報告書(中央政府に報告するものを除く)を加えるものです。

12. 不正に関する報告先の修正(重要度“低”/未施行)
 CAA13条は、監査役の会社役員等の不正に関する中央政府に対する報告義務について規定するインド会社法143条12項を、以下の規定に置換しました。

“(12) Notwithstanding anything contained in this section, if an auditor of a company in the course of the performance of his duties as auditor, has reason to believe that an offence of fraud involving such amount or amounts as may be prescribed, is being or has been committed in the company by its officers or employees, the auditor shall report the matter to the Central Government within such time and in such manner as may be prescribed:
Provided that in case of a fraud involving lesser than the specified amount, the auditor shall report the matter to the audit committee constituted under section 177 or to the Board in other cases within such time and in such manner as may be prescribed:
Provided further that the companies, whose auditors have reported frauds under this sub-section to the audit committee or the Board but not reported to the Central Government, shall disclose the details about such frauds in the Board's report in such manner as may be prescribed.”
 この改正により、会社法施行規則で別途規定される金額以下の不正に関しては、監査役は、中央政府の替わりに、監査委員会(もし存在しない場合には取締役会)に報告することとされ、会社はその詳細を取締役会報告書に記載することでこれを公開することとされました。

13. 関連当事者取引に対する総括的承認(重要度“中”/未施行)
 CAA14条は、関連当事者取引の監査委員会の承認・修正について規定するインド会社法177条(4)(iv)について、但書として"Provided that the Audit Committee may make omnibus approval for related party transactions proposed to be entered into by the company subject to such conditions as may be prescribed;”という規定を追加しました。

 従来、関連当事者取引で要求される監査委員会の承認について、総括的な承認が許容されるのか必ずしも明示されていませんでしたが、この改正により、監査委員会は、関連当事者との取引に関して、総括的な承認を作成出来るようになりました。総括的な承認を認めることで、個別の案件ごとに逐一監査役会の承認を経る必要を無くし、会社運営の負担を軽減するものです。

14. 対取締役貸付のルールの変更(重要度“大”)
 CAA15条は、取締役等に対する貸付けの規制について規定するインド会社法185条について、但書(b)に続けて、以下の規定を追加しました。
"(c) any loan made by a holding company to its wholly owned subsidiary company or any guarantee given or security provided by a holding company in respect of any loan made to its wholly owned subsidiary company; or
(d) any guarantee given or security provided by a holding company in respect of loan made by any bank or financial institution to its subsidiary company:
Provided that the loans made under clauses (c) and (d) are utilised by the subsidiary company for its principal business activities.”
 この改正により、親会社の、完全子会社に対する貸付、保証又は担保の提供並びに金融機関による子会社に対する貸付に関する保証又は担保の提供が例外的に許容されることとなりました。
親会社が完全子会社に対し運転資金を融資しすること等はしばしば行われますが、親会社の取締役が子会社の取締役を兼任している場合、このような行為はインド会社法185条1項の規制対象となっておりました。このような不都合を解消するために、親会社による完全子会社等に対する融資等を許容するものです。

15. 関連当事者取引で要求される決議基準の変更(重要度“大”)
  CAA16条は、関連当事者取引に関する取締役会の承認について規定する会社法188条1項及び同3項中、”special resolution”という文言を”resolution”という文言に置換し、第四但書として以下の規定を追加しました。
"Provided also that the requirement of passing the resolution under first proviso shall not be applicable for transactions entered into between a holding company and its wholly owned subsidiary whose accounts are consolidated with such holding company and placed before the shareholders at the general meeting for approval.”
 従来、会社法施行規則の定める一定額の払込資本金額を超える会社の取引又は一定額を超える取引を行う場合、株主総会特別決議が要求されていましたが、この改正により、株主総会普通決議で足りることとなりました。また、親会社と会計が連結している完全子会社と取引に関しては、普通決議も不要となりました。



16. 調査対象行為の指定表現の修正(重要度“低”)
 CAA17条は、インド会社法212条6項に関して、"the offences covered under sub-sections (5) and (6) of section 7, section 34, section 36, sub-section (1) of section 38, sub-section (5) of section 46, sub-section (7) of section 56, sub-section (10) of section 66, sub-section (5) of section 140, sub-section (4) of section 206, section 213, section 229, sub-section (1) of section 251, sub-section (3) of section 339 and section 448 which attract the punishment for fraud provided in section 447”という文言を "offence covered under section 447”という文言に置き換えました。
212条6項では、Serious Fraud Investigation Officeの調査対象になりうる行為が具体的条項を適示する形で列挙されていますが、いずれの条項においても447条に従い処罰されることが明記されているため、逐一条項を適示す必要性が乏しい状況にありました。そこで、単に447条により規律される違反行為が、調査対象となりうる旨を指摘することで、記載の簡素化を図るものです。

17. 社印に関する規定の文言の修正(重要度“低”)
  CAA18条は、検査役報告書の社印による認証に関して規定するインド会社法223条4項(a)のうち、"by the seal”という文言を"by the seal, if any,”という文言に置き換えました。
CAAの施行により、社印が必ずしも不可欠なものでなくなることを受け、”if any”という文言を追加するものです。

18. 会社登記抹消事由の変更(重要度“低”)
 CAA19条は、株式引受人が払込みを行わない場合に登記官に会社の登記抹消権限を認める会社法248条を削除しました。
この改正により、株式引受人による払込の不履行が、登記官による会社登記抹消事由ではなくなりました。

19. 特別審判廷の設置範囲の修正(重要度“低”)
 CAA20条は、全国会社法審判所所長による特別審判廷の設置に関して規定するインド会社法419条4項について、”winding up”という文言を削除しました。
改正前会社法によれば、全国会社法審判所所長は会社解散の処理に当たって特別審判廷を設置するものとされていましたが、この改正により、会社解散の際には特別審判廷が利用されないこととされました。

20. 特別裁判所の設置範囲の修正(重要度“低”)
 CAA21条は、会社法違反行為を審理する特別裁判所の設置について規定するインド会社法435条に関して、"trial of offences under this Act”という文言を"trial of offences punishable under this Act with imprisonment of two years or more”という文言に置き換え、但書として以下の規定を追加しました。

 "Provided that all other offences shall be tried, as the case may be, by a Metropolitan Magistrate or a Judicial Magistrate of the First Class having jurisdiction to try any offence under this Act or under any previous company law."

 従前は、すべての会社法違反行為が特別裁判所の審理に服すると規定されていましたが、この改正により、懲役2年以上の罰則が科される可能性のある会社法違反行為のみが、特別裁判所の審理に服することとなりました。なお、それ以外の違反行為は、首都圏治安判事又は一級治安判事の審理に服するものとされております。
 

21. 特別裁判所の審理対象に関する文言の修正(重要度“低”)

  CAA22条は、会社法違反行為を審理する特別裁判所の審理対象について規定するインド会社法436条1項(a)中、"all offences under this Act”という文言を "all offences specified under sub-section (1) of section 435”という文言に置き換えました。
CAA21条によるインド会社法435条の改正を受けて、文言を修正するものです。

22. 会社法適用除外等の指定における期間算出方法の修正等(重要度“低”)
 CAA23条は、会社法適用除外等に関する中央政府の権限について規定する会社法462条に関し、第3項、4項として、下記の規定を追加しました。
 (3) In reckoning any such period of thirty days as is referred to in sub-section (2), no account shall be taken of any period during which the House referred to in sub- section (2) is prorogued or adjourned for more than four consecutive days.
 (4) The copies of every notification issued under this section shall, as soon as may be after it has been issued, be laid before each House of Parliament.”
 この改正により、中央政府の議会に対する通達案提出に関する30日の期間算定に際して、4日を超える形で連続して議会が延会、休会した場合、この期間は上記30日の期間に算入されないものとされました。また、同条に基づく通達が、公布後直ちに各議会に提出されるものとされました。

THE CCOMPANIES (AMENDMENT) ACT, 2015

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/AmendmentAct_2015.pdf

 

Commencement Notification of Companies (Amendment) Act, 2015

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/Notification_31052015.pdf

以上

(弁護士 遠藤 衛)

投稿者: 棚瀬法律事務所

2015.06.18更新

2015年5月25日、THE COMPANIES (AMENDMENT) ACT, 2015(以下「CAA」)が成立し、同年5月29日に、13条及び14条を除くすべての条項が施行されました。そこで、CAAによりインド会社法がどのように改正されたのか、各修正点を俯瞰します。

 

⒈ 最低資本金規制の撤廃(重要度“中”)

 CAA2条1項は、非公開会社の定義規定であるインド会社法2条68項の、“of one lakh rupees or such higher paid-up share capital”という文言を削除し、同2項は、公開会社の定義規定であるインド会社法2条71項の“of five lakh rupees or such higher paid-up capital,”という文言を削除しました。

 インド会社法は、従来、非公開会社及び公開会社の定義に最低資本金を組み込むことにより、資本金として要求される最低額を規律しておりました。しかし、この改正により、非公開会社及び公開会社の最低資本金の額に関する文言が削除され、従来要求されていた株式会社の最低資本金に関する規制が撤廃されました。

 

⒉ 社印に関する文言の修正(重要度“低”)

 CAA3条は、インド会社法9条の“and a common seal”という文言を削除しました。

 インド会社法9条は、会社登記の効力発生日について規定する条項ですが、会社設立証明書記載の日時より社印を利用して法人活動をなしうることも規定しております。CAAの施行によりインド会社法上、社印が必ずしも不可欠なもので無くなることをうけ、社印に関する文言を削除するものです。

 

⒊ 事業開始に関する申告制度の廃止(重要度“中”)

 CAA4条は、事業の開始(commencement of business)に関して規定するインド会社法11条を削除しました。

 従来、インド会社法11条により会社が事業を開始するためには、株式引受にかかる払込の支払い及び最低資本金額を超える払込がなされたことの申告の登録が必要とされていました。しかし、CAA2条によって最低資本金規制が撤廃されたことをうけ、その申告を不要とするため、申告に関する会社法11条を削除するものです。

 

⒋ 社印に関する文言の修正(重要度“低”)

 CAA5条は、会社の事務所の登録に関して規定するインド会社法12条のうち、"(b) have its name engraved in legible characters on its seal"という規定を“(b) have its name engraved in legible characters on its seal, if any;”という規定に置き換えました。

 CAAの施行によりインド会社法上、社印が必ずしも不可欠なものでなくなることを受け、”if any”という文言を追加するものです。

 

⒌ 代理権付与手続の修正(重要度“高”)

 CAA6条1項は、会社の代理行為に関して規定するインド会社法22条2項の“under its common seal”という文言を、“under its common seal, if any,” という文言に置換し、下記の但書を追加しました。また、同2項は、会社の証書に関して規定するインド会社法22条3項のうち‘‘and have the effect as if it were made under its common seal”という文言を削除しました。

“Provided that in case a company does not have a common seal, the authorisation under this sub-section shall be made by two directors or by a director and the Company Secretary, wherever the company has appointed a Company Secretary.”;

 従来、インド会社法は社印が押印された書面によって会社の代理権を付与するものとしておりました。この改正により、社印が存在する場合にはその押印が、存在しない場合には取締役及び会社秘書役の権限付与が(会社秘書役が存在しない場合には取締役2名による権限付与が)、会社の代理人を選任するに際して、必要となりました。また、会社の証書作成に際して要求されていた社印の押印が不可欠なものではなくなりました。

 

⒍ 株式証書の様式に関する変更(重要度“中”)

 CAA7条は、株式証書について規定する会社法46条1項のうち“issued under the common seal of the company”という文言を “issued under the common seal, if any, of the company or signed by two directors or by a director and the Company Secretary, wherever the company has appointed a Company Secretary”という文言に置換しました。

 従来、社印が押印されている株式証書が明白な証拠(prima facie)として取り扱われていましたが、この改正により、社印の押印又は取締役と会社秘書役の署名(会社秘書役が選任されていない場合には、取締役2名の署名)のある株式証書が、株主の資格を証明する明白な証拠になることとされました。

 

⒎ 預り金規制違反に関する罰則の新設(重要度“低”)

 CAA8条は、預り金規制違反の罰則を規定するインド会社法76条Aを以下のとおり新設しました。

 “76A. Where a company accepts or invites or allows or causes any other person to accept or invite on its behalf any deposit in contravention of the manner or the conditions prescribed under section 73 or section 76 or rules made thereunder or if a company fails to repay the deposit or part thereof or any interest due thereon within the time specified under section 73 or section 76 or rules made thereunder or such further time as may be allowed by the Tribunal under section 73,—

(a) the company shall, in addition to the payment of the amount of deposit or part thereof and the interest due, be punishable with fine which shall not be less than one crore rupees but which may extend to ten crore rupees; and
(b) every officer of the company who is in default shall be punishable with imprisonment which may extend to seven years or with fine which shall not be less than twenty-five lakh rupees but which may extend to two crore rupees, or with both:
Provided that if it is proved that the officer of the company who is in default, has contravened such provisions knowingly or wilfully with the intention to deceive the company or its shareholders or depositors or creditors or tax authorities, he shall be liable for action under section 447.”

 この改正により、76A条の新設により、預り金規制に違反した場合、会社に対し1千万Rsを超える1億Rs以下の罰金が、違反した会社役員に対し7年以下の懲役及び/又は250万Rsを超える2千万Rs以下の罰金が科されることになります。


⒏ 閲覧・謄写文書範囲の修正(重要度“低”)
 CAA9条は、決議の登録に関するインド会社法117条の3項(g)の但書として、以下の規定を追加しました。

 “Provided that no person shall be entitled under section 399 to inspect or obtain copies of such resolutions; and” 

 インド会社法399条は、何人に対しても登記官によって管理されている書面の閲覧・謄写を認めておりますが、この但書の新設により、会社の業務執行に関する取締役会決議の写しに関しては、同条の閲覧・謄写が認められないこととなりました。
会社の機密情報を含むおそれのある取締役会決議の一般的閲覧・謄写を制限することで、企業機密の保護を図る趣旨です。

⒐ 配当可能額算出方法に関する追記(重要度“中”)
 CAA10条は、配当の宣言及び支払いに関して規定するインド会社法123条の第4但書として、以下の規定を追加しました。

 “Provided also that no company shall declare dividend unless carried over previous losses and depreciation not provided in previous year or years are set off against profit of the company for the current year.”

 この但書の新設により、過去の損失を繰越し、過去の年度の資産減価と当年度の利益を相殺しない限り、配当の宣言が出来なくなりました。

 配当可能額の適正な算出を確保する趣旨から、このような但書が新設されたものです。

10.未配当株式の取扱いに関する説明書の追加(重要度“低”)
 CAA11条1項は、一定期間配当の支払い等が行われない株式の移転について規定するインド会社法124条6項のうち、“unpaid or unclaimed dividend has been transferred under sub-section (5) shall also be”という文言を “dividend has not been paid or claimed for seven consecutive years or more shall be”という文言に置換し、説明書として“Explanation.—For the removal of doubts, it is hereby clarified that in case any dividend is paid or claimed for any year during the said period of seven consecutive years, the share shall not be transferred to Investor Education and Protection Fund.’’という規定を追加しました。

 従前の規定では、インド会社法124条5項の規定によりthe Unpaid Dividend AccountからInvestor Education and Protection Fundにその配当が移動される株式についてのみ、同ファンドに移転する旨規定されておりましたが、同5項の場合に限られず、7年以上配当の支払及び請求がなかった株式が同ファンドに移転することとなりました。もっとも、そもそも7年間一度も配当が為されない場合等には、株式が移転されない旨説明書きで明記されています。

11. 取締役会報告書として提出すべき書類の追加(重要度“低”)
  CAA12条は、取締役会報告書について規定するインド会社法134条3項に関して、“(ca) details in respect of frauds reported by auditors under sub-section (12) of section 143 other than those which are reportable to the Central Government;”という条項を新設しました。

 CAA13条は、一定額以下の会社役員等の不正に関しては、取締役会報告書に記載する旨規定しており、これを受けて、取締役会報告書として提出すべき書類に、インド会社法143条が定める監査役により作成される不正に関する報告書(中央政府に報告するものを除く)を加えるものです。

12. 不正に関する報告先の修正(重要度“低”/未施行)
 CAA13条は、監査役の会社役員等の不正に関する中央政府に対する報告義務について規定するインド会社法143条12項を、以下の規定に置換しました。

“(12) Notwithstanding anything contained in this section, if an auditor of a company in the course of the performance of his duties as auditor, has reason to believe that an offence of fraud involving such amount or amounts as may be prescribed, is being or has been committed in the company by its officers or employees, the auditor shall report the matter to the Central Government within such time and in such manner as may be prescribed:
Provided that in case of a fraud involving lesser than the specified amount, the auditor shall report the matter to the audit committee constituted under section 177 or to the Board in other cases within such time and in such manner as may be prescribed:
Provided further that the companies, whose auditors have reported frauds under this sub-section to the audit committee or the Board but not reported to the Central Government, shall disclose the details about such frauds in the Board's report in such manner as may be prescribed.”
 この改正により、会社法施行規則で別途規定される金額以下の不正に関しては、監査役は、中央政府の替わりに、監査委員会(もし存在しない場合には取締役会)に報告することとされ、会社はその詳細を取締役会報告書に記載することでこれを公開することとされました。

13. 関連当事者取引に対する総括的承認(重要度“中”/未施行)
 CAA14条は、関連当事者取引の監査委員会の承認・修正について規定するインド会社法177条(4)(iv)について、但書として"Provided that the Audit Committee may make omnibus approval for related party transactions proposed to be entered into by the company subject to such conditions as may be prescribed;”という規定を追加しました。

 従来、関連当事者取引で要求される監査委員会の承認について、総括的な承認が許容されるのか必ずしも明示されていませんでしたが、この改正により、監査委員会は、関連当事者との取引に関して、総括的な承認を作成出来るようになりました。総括的な承認を認めることで、個別の案件ごとに逐一監査役会の承認を経る必要を無くし、会社運営の負担を軽減するものです。

14. 対取締役貸付のルールの変更(重要度“大”)
 CAA15条は、取締役等に対する貸付けの規制について規定するインド会社法185条について、但書(b)に続けて、以下の規定を追加しました。
"(c) any loan made by a holding company to its wholly owned subsidiary company or any guarantee given or security provided by a holding company in respect of any loan made to its wholly owned subsidiary company; or
(d) any guarantee given or security provided by a holding company in respect of loan made by any bank or financial institution to its subsidiary company:
Provided that the loans made under clauses (c) and (d) are utilised by the subsidiary company for its principal business activities.”
 この改正により、親会社の、完全子会社に対する貸付、保証又は担保の提供並びに金融機関による子会社に対する貸付に関する保証又は担保の提供が例外的に許容されることとなりました。
親会社が完全子会社に対し運転資金を融資しすること等はしばしば行われますが、親会社の取締役が子会社の取締役を兼任している場合、このような行為はインド会社法185条1項の規制対象となっておりました。このような不都合を解消するために、親会社による完全子会社等に対する融資等を許容するものです。

15. 関連当事者取引で要求される決議基準の変更(重要度“大”)
  CAA16条は、関連当事者取引に関する取締役会の承認について規定する会社法188条1項及び同3項中、”special resolution”という文言を”resolution”という文言に置換し、第四但書として以下の規定を追加しました。
"Provided also that the requirement of passing the resolution under first proviso shall not be applicable for transactions entered into between a holding company and its wholly owned subsidiary whose accounts are consolidated with such holding company and placed before the shareholders at the general meeting for approval.”
 従来、会社法施行規則の定める一定額の払込資本金額を超える会社の取引又は一定額を超える取引を行う場合、株主総会特別決議が要求されていましたが、この改正により、株主総会普通決議で足りることとなりました。また、親会社と会計が連結している完全子会社と取引に関しては、普通決議も不要となりました。



16. 調査対象行為の指定表現の修正(重要度“低”)
 CAA17条は、インド会社法212条6項に関して、"the offences covered under sub-sections (5) and (6) of section 7, section 34, section 36, sub-section (1) of section 38, sub-section (5) of section 46, sub-section (7) of section 56, sub-section (10) of section 66, sub-section (5) of section 140, sub-section (4) of section 206, section 213, section 229, sub-section (1) of section 251, sub-section (3) of section 339 and section 448 which attract the punishment for fraud provided in section 447”という文言を "offence covered under section 447”という文言に置き換えました。
212条6項では、Serious Fraud Investigation Officeの調査対象になりうる行為が具体的条項を適示する形で列挙されていますが、いずれの条項においても447条に従い処罰されることが明記されているため、逐一条項を適示す必要性が乏しい状況にありました。そこで、単に447条により規律される違反行為が、調査対象となりうる旨を指摘することで、記載の簡素化を図るものです。

17. 社印に関する規定の文言の修正(重要度“低”)
  CAA18条は、検査役報告書の社印による認証に関して規定するインド会社法223条4項(a)のうち、"by the seal”という文言を"by the seal, if any,”という文言に置き換えました。
CAAの施行により、社印が必ずしも不可欠なものでなくなることを受け、”if any”という文言を追加するものです。

18. 会社登記抹消事由の変更(重要度“低”)
 CAA19条は、株式引受人が払込みを行わない場合に登記官に会社の登記抹消権限を認める会社法248条を削除しました。
この改正により、株式引受人による払込の不履行が、登記官による会社登記抹消事由ではなくなりました。

19. 特別審判廷の設置範囲の修正(重要度“低”)
 CAA20条は、全国会社法審判所所長による特別審判廷の設置に関して規定するインド会社法419条4項について、”winding up”という文言を削除しました。
改正前会社法によれば、全国会社法審判所所長は会社解散の処理に当たって特別審判廷を設置するものとされていましたが、この改正により、会社解散の際には特別審判廷が利用されないこととされました。

20. 特別裁判所の設置範囲の修正(重要度“低”)
 CAA21条は、会社法違反行為を審理する特別裁判所の設置について規定するインド会社法435条に関して、"trial of offences under this Act”という文言を"trial of offences punishable under this Act with imprisonment of two years or more”という文言に置き換え、但書として以下の規定を追加しました。

 "Provided that all other offences shall be tried, as the case may be, by a Metropolitan Magistrate or a Judicial Magistrate of the First Class having jurisdiction to try any offence under this Act or under any previous company law."

 従前は、すべての会社法違反行為が特別裁判所の審理に服すると規定されていましたが、この改正により、懲役2年以上の罰則が科される可能性のある会社法違反行為のみが、特別裁判所の審理に服することとなりました。なお、それ以外の違反行為は、首都圏治安判事又は一級治安判事の審理に服するものとされております。
 

21. 特別裁判所の審理対象に関する文言の修正(重要度“低”)

  CAA22条は、会社法違反行為を審理する特別裁判所の審理対象について規定するインド会社法436条1項(a)中、"all offences under this Act”という文言を "all offences specified under sub-section (1) of section 435”という文言に置き換えました。
CAA21条によるインド会社法435条の改正を受けて、文言を修正するものです。

22. 会社法適用除外等の指定における期間算出方法の修正等(重要度“低”)
 CAA23条は、会社法適用除外等に関する中央政府の権限について規定する会社法462条に関し、第3項、4項として、下記の規定を追加しました。
 (3) In reckoning any such period of thirty days as is referred to in sub-section (2), no account shall be taken of any period during which the House referred to in sub- section (2) is prorogued or adjourned for more than four consecutive days.
 (4) The copies of every notification issued under this section shall, as soon as may be after it has been issued, be laid before each House of Parliament.”
 この改正により、中央政府の議会に対する通達案提出に関する30日の期間算定に際して、4日を超える形で連続して議会が延会、休会した場合、この期間は上記30日の期間に算入されないものとされました。また、同条に基づく通達が、公布後直ちに各議会に提出されるものとされました。

THE CCOMPANIES (AMENDMENT) ACT, 2015

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/AmendmentAct_2015.pdf

 

Commencement Notification of Companies (Amendment) Act, 2015

http://www.mca.gov.in/Ministry/pdf/Notification_31052015.pdf

以上

(弁護士 遠藤 衛)

投稿者: 棚瀬法律事務所

棚瀬法律事務所03-6205-7930
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